デザインのある光景Number: 38


Subject:

oasis21

Text: Yoshiko Taniguchi

Photo: Kyoko Omori

Mother Comet No.50 | 2020.May

薄暮に浮かび上がる楕円形の構造物と、高層ビル群の光と影。まるでSF映画のワンシーンのような光景は、名古屋の中心地・栄エリアにある立体公園「オアシス21」の夜景。水をたたえた巨大なガラスの大屋根は煌びやかにライトアップされ、まるで都心に着陸した宇宙船のよう。そんなフィクションめいたオーラで魅力を放つ都市公園は多方面から注目を集めており、外国人旅行客による「日本のフォトジェニックスポット第2位」(2017年)に選ばれたほか、さまざまなPVやCMのロケ地として撮影が行われるなど、名古屋が誇る“映え”スポットの1つだ。

竣工は2002年。地下はイベント広場や商業施設、半地下階にバスターミナル、地上には芝生広場、屋上階に空中回廊のあるガラスの大屋根(通称:水の宇宙船)を併設。複合施設なので回遊性も高く、年間の来場者数は約1500万人(2019年度)。地元ではおなじみの場所である。

特に目を引く「水の宇宙船」は地上から14メートルの高さにあり、水面を囲むガラスの回廊では空中散策も楽しめる。まさに「オアシス21」のシンボルなのだが、実は斬新さを狙って作ったものではないらしい。

施設を管理・運営している栄公園振興㈱の上原伸也さんによると「設計者である㈱大林組の葛西秀樹さんは、屋根部分を吹き抜けにすることで自然の空調(換気)や自然採光を取り入れつつ、天井高を確保することで多彩なイベントに対応できる地下空間を実現しました。また、ガラス屋根に水を張ることで、気化熱と地下に届く輻射熱を軽減(緑地化に比べ3倍ものヒートアイランド効果があるそう)。さらにこの水は施設内のトイレに給水しているので無駄もない。実にエコで合理的な構造なんです」。さすが名古屋のランドマーク。「派手さを好むが実は堅実」と称される地域の気質は、設計時から反映されていたようだ。

日中は買い物中の親子や移動中のオフィスワーカーがベンチに腰掛けて一息ついたり、夜はライトアップを目当てに訪れたカップルや観光客が記念撮影をしたり。「オアシス21」はフォトジェニックスポットとしての魅力だけでなく、寛ぎと癒しを与える空間として、昼夜を問わず人々を迎え入れる。その光景は紛れもなく都会のオアシスだった。

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