台湾(台北)観光情報 STAR TRIP：樂天皇朝

美食の地として知られる台湾。訪れたときに誰もが一度は食べたいと思うのが本場の小籠包ですね。街中の食堂や夜市でカジュアルに楽しんだら、"特別な一食"にも出会うためにレストランにもお出掛けしてみませんか。

カラフルな８色の小籠包が看板メニューの「樂天皇朝」。舌の肥えた地元民からも評判のお店をご紹介します。

樂天皇朝があるのは、台北101がシンボリックにそびえ立つ市内の東側。大型デパートやブランドショップが立ち並ぶ、ショッピングモール「微風信義」の４階に入っています。

クラシックモダンの雰囲気を醸す店内は120席。二胡の流麗な音色がリラックスムードを誘います。

こちらのお店のオープンは、2015年10月。オーナーはシンガポールを拠点に、国内外で飲食業を手がける若手兄弟で樂樂天皇朝をはじめ、シンガポール料理店、タイ料理店など13ブランドを国内外11カ国で展開しています。

その始まりはシンガポールでオープンしたわずか25席の屋台からだったとか！シーフードと中華料理を融合した「豪華な内容と手頃な価格」でたちまちブレイクしました。

そうした敏腕オーナーのモットーを反映したお店のコンセプトは、「昔の王朝のような雰囲気のなかで、北から南まで中国の美食を堪能できるレストラン」。

北は山東料理から四川、浙江、南は広東料理まで。「中国八大料理」と総称される本格料理がずらりと揃います。点心メニューもあるので、軽めに食べたいときには飲茶スタイルの食事も可能です。

看板メニューの「小籠包8種盛り（特色皇朝小籠包八色）」。

せいろの蓋が開けられた瞬間、色鮮やかな可愛い小籠包がお目見えします。お菓子のマカロンから発想を得て、カタチにしたという８色は、どれから口にしようか迷いそうですね。中心に置かれたオリジナル味を最初に堪能し、グリーンの小籠包から時計まわりにいただきましょう。

翡翠のような美しい緑色の小籠包は、高麗人参味。その手前のオレンジ色はフォアグラ味、次は黒トリュフ、チーズ、蟹の卵、ガーリック、香辛料の一種である麻辣（マーラー）。

からだに優しい天然色素を使うのも、お店のこだわりです。例えば、高麗人参味の「皮」の色付けに用いられているのは、ほうれん草。また、小籠包の味が８種類なのは、中国で縁起がよいとされる数字「８」にちなんだもの。旅中に食すると、素敵な出来事が起こりそうですね。

紫とグリーンのコントラストが美しい一品は、「長芋・ゆり根と野菜の炒め物（紫山藥百合炒時蔬）」。

日本では滅多にお目にかかれない台湾原産の山芋や、アスパラのシャキシャキ感、百合根のほくほく感を楽しみながら、さっぱりとした塩味に箸が進みます。

見た目の美しさはもちろんのこと、台湾山芋や水蓮菜といった台湾産の珍しい食材が楽しめるのもこの店の魅力。とくに、この紫山芋は鮮度に欠ける場合、メニューとして出さないというシェフのこだわりが垣間見えます。

ユニークな見ためとエピソードを秘めた逸品もありました。

「帆立と蟹の卵とじ（瑤柱芙蓉賽螃蟹）」は、メニュー名に「蟹」が入っていますが、実は蟹を使っていません。その理由は中国の食の歴史にあります。

こちらのお料理は、その昔、中国・清朝時代に西太后が蟹の採れない時期に「蟹を食べたい」と嘆願し、宮廷の料理人たちが試行錯誤して再現させたことがルーツになっているのだそうです。

白身魚と帆立で表現した「蟹の風味」を醸しながら、黄身と黒酢が味のアクセントに。シンプルながらも食の奥深さや可能性が堪能できます。

お店のスペシャリテは「切り干し大根の中華パイ（蘿蔔絲酥餅）」。

ミリ単位で生地に切り目を入れる職人技は、目を見張るものが！皮はサクッとしたパイの食感と程よい塩味が感じられ、中からは大根の甘みがふんわり。

絶妙なハーモニーは「百聞は"一食"にしかず」。ぜひ現地でお試しくださいね。

そのほか、「蟹みその和え麺（蟹粉拌麺）」や「サンラータン」といった麺料理をはじめ、食べごたえのあるメニューも揃います。

台湾人好みの四川料理など、唐辛子やガーリックの効いたものもあり、多彩な品揃えの中から気分によって選んでもよさそうですね。

魅惑的な「小籠包８種盛り」や餃子、春巻きといった点心をカジュアルに楽しむもよし、広大な中国の風土から生まれた地方料理を織り交ぜながらじっくり堪能するもよし。

東アジアの多様な食文化の奥深さ、ダイナミックさを感じられる「樂天皇朝」で、記憶に残る美食時間を過ごしてください。

◎今回ご紹介したのは、樂天皇朝の「微風信義店」。こちらの店舗以外に「大直ATT店」も台北市内にあります。お料理メニューはほとんど同様なので、旅行先のルートに合わせて選ぶのがおすすめです。
（樂天皇朝「大直ATT店」：台北市中山區敬業三路123號3樓(Att 4 Recharge)、TEL：＋886- 2-7726-5848、11:00〜22:00、全年無休、ACCESS：劍南路駅3番出口徒歩5分）